高齢者の日常生活を支援するサービスとしては、大きく分けてデイサービスセンターなどのような通所型のサービスと、老人ホームのような入所型のサービスの2種類がありますが、その中間的な性質を持ったタイプもあります。その具体例として挙げられるのが、サービス付き高齢者向け住宅です。一般の住宅と同じように独立性やプライバシーを保ちながら生活できる一方、暮らしに安心をもたらすサポートも受けることができます。サービス付き高齢者向け住宅は2022年3月時点で全国に約8、000棟の物件が存在し、今後も増加が予想される物件です。

入居できるのは満60歳以上か、60歳未満で要介護認定を受けた人ですが、自立した生活が送れるか、要介護度が比較的軽い人が主な対象となっている点が老人ホームなどとは大きく異なります。入居形式は賃貸となっており、キッチンやトイレなどは一部共同タイプもありますが、各室に付属しているのが基本です。つまり通常の賃貸マンションとほぼ同じと言ってもいいわけですが、施設内の各所がバリアフリー設計となっていたり、物件によっては緊急通報装置が居室内に付いていたりします。サービス付き高齢者向け住宅では、安否確認と生活相談という2つのサービスを提供することが定められています。

安否確認ではスタッフが定期的に巡回し、体調などについて確認を行います。一方、生活相談では日常における困りごとや心の不安などについて相談に乗ってもらえます。